事業内容

インタビュー「楽しくゼロに近づけるために!」

「楽しくゼロに近づけるために!」
~第9期推進員 府内各地で活躍中!~ 今回は高坂幸利さん

高坂幸利さん
高坂幸利さん

第9期京都府地球温暖化防止活動推進員の高坂幸利さんが、2019年度の推進員活動報告書の中で報告されている活動回数は、81回です。その精力的な活動の原動力は何なのでしょうか。お話をきいてみました。

 

 

 

 

 

 

 


■ボランティア元年

ずらっと並んだ名札や認定証。第9期推進員である高坂さんが、ボランティアで活動している数だけあります。子供向けの環境教育から、省エネ診断、観光ボランティアまで!

ボランティア団体

活動 開始時期
*こどもエコライフチャレンジ ボランティア 2010.5
*ecoット宇治(省エネ相談所など) 2010.8
*宇治観光ボランティアガイドクラブ 2010.9
*家庭の省エネアドバイザー(普及ネット京都) 2010.10
*京エコロジーセンター 環境ボランティア 2011.4
*うちエコ診断士 2011.9
*京都再エネコンシェルジュ 2017.3
*クールチョイス相談員 2018.11
*京都府地球温暖化防止活動推進員 2011.5~第5期から9期まで継続

高坂さんが、これらの活動を始めたのは10年前。「きっかけは60歳で定年を迎えた時に、自由な時間ができたので、何をしようかなと探したのが始まりです。最初に、京エコロジーセンター(エコセン)の環境のリーダーになるための勉強会があって、その後3年間、週の半分は通い詰めて、自分でグループを作って、企画を形にしていきました」。
会社にいた時には、ISO14001など環境関連の責任者を務められていたそうです。当時から、上司からの命令だけではなくて、自分で考えて体験しながら取り組むことを大切にされていて、その経験が今に活きていると言います。
エコセンでは、子供向けのプログラムを多く手掛けられ「小学生向けのプログラムを作ることに、やりがいを感じたんです。子供たちに分かりやすく伝えることが、好きなんでしょうね」と笑います。

「子供だけじゃ、意味が分かってもらえないこともあるから、親子に伝えることを大切にしています。子供さん通じて、お母さんお父さんに、気づいてもらうのがベストかなと。一番うまく伝えられて、環境問題を変えていくのに大きな力になるのではと思います」。

■二酸化炭素排出実質ゼロに向けて

「私の環境目標は、地球温暖化を1.5℃までに抑えるということです。」と語ってくださった高坂さん。そのためには、2050年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロ、2030年までに約半分にしないと実現できません。個人でできることはあるのでしょうか。

「私自身は、1年に1回、自分で自分の家を省エネ診断するのです。(※1:うちエコ診断)
初めて診断した時からすると、今は生活を見直すことで、二酸化炭素の排出は大分減ってきました。まだできていない事もあるのですが、ゼロに近づけるために、電気の契約先を変えることで、再生可能エネルギーの割合が増えました。暖房器具として、最初は灯油を使っていたのですが、うちエコ診断で非常にCO2の排出が多いということを知って、全部エアコンに切り替えました。車は、今は元気なのでなるべく歩くようにして、ほとんど乗らなくなりました。あと自分の家では、2重窓にしたり、断熱マットをはったり、もう少し改良したら、かなり減るのではないかと思います。あと、ジレンマは、ガスがゼロにならないことです。お風呂が好きなので毎日お風呂に入っているのと、料理ですね」と、ご自分の家で実際に二酸化炭素の排出を減らしていったプロセスを教えて頂きました。

省エネ相談所で親子に説明中
省エネ相談所で親子に説明中

「個人で出来ることは色々あるので、『うちエコ診断』で伝えていけたらと思います」と、それを実際に伝える術と機会があるのが頼もしいところです。

さらに「普通のご家庭でも、完全にゼロは難しくても、屋根の上に太陽光発電、給湯器に太陽熱温水器やエコキュートをつけたり、電力会社を変えたりすることで、ゼロに近いところまでいくのではと思っているんです。あまり、無理する事なくやれたらいいかなと思うので、費用がかかることよりは、自然エネルギーを買うという選択はすごく大きなことだと思います。自分の家に太陽光発電を導入できなくても、電力会社を選択することで、購入する電気を自然エネルギー由来のものにすることができて、電気のCO2排出係数(※2)を0にできます。」と、個人で手軽に出来ることを語ってくださいました。

 

■楽しく取り組むことの大切さ

高坂さん自身は、環境関連のことだけでなく、自分が好きな地理歴史の分野で、宇治観光ボランティアとしても活躍されています。
「観光では、お客さんに喜んでもらわないといけません。環境のことでも、やるからにはみんなが『楽しく』考えてもらうということは、必要かなと思います」とみんなで楽しく取り組むことの大切さを強調されています。
「今の私としては、『楽しく』ね、ただ教えるのではなく、少しでも自分で出来る環境のことに気づくヒントになるような事を、提案出来たらいいのかなと思います」。

■ゼロに向かうためにさらに仲間を!

「これまで10年間、”子供から大人まで楽しく学んで地球温暖化を防ごう!“をモットーに環境活動してきました。参加者の方から、自分でも出来ることに気づいて、「さっそくエコな〇〇をやってみます!」というような声が聞けると本当に嬉しいですね。これからも今までの体験や知識を活かして、脱プラスチックや食品ごみ減量などの企画も力を注いでやっていきたいなと思っています。たくさんの仲間に支えられ、ネットワークの広がりにも手ごたえを感じていますが、さらに仲間が増えるといいですね」。

※1:うちエコ診断:(環境省認定の資格。ご家庭の年間エネルギー使用量や光熱費などの情報をもとに,専用ソフトを用いて,お住まいの気候やご家庭のライフスタイルに合わせ,無理なくできる省CO2・省エネ対策をご提案するもの。高坂さんは、うちエコ診断士の資格をお持ちです。)

※2:CO2排出係数:(電力会社が一定の電力を作り出す際にどれだけの二酸化炭素を排出したかを推し測る指標です。「実二酸化炭素排出量÷販売電力量」算出され、「kg-CO2/kWh」という単位で表します。再生可能エネルギーのCO2排出係数はゼロです。)